拍手お礼4
2016/11/20~2017/2/16の拍手お礼です。「その言葉が言いたくて」の原型?のようなものです。「その言葉が~」があるのでいいかなと思って引っ込めてましたが、会話の流れがちょっと違うのでこっちも載せてみます。
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「ねぇ、先輩。このあいだのこと、覚えてますか?」
「このあいだのこと?」
鹿島が笑顔を見せる。
「ほら、一緒にチョコ食べたじゃないですか」
「ああ、あの時か。そういやチョコを食い始めた辺りから、記憶が飛んでるな」
鹿島の表情が、少し変わった。そいつが、椅子の上にあった紙袋を差し出してくる。中を覗くと、紙の箱が一つあった。
「ブラウニーです。一緒に食べませんか?」
「別に、それは構わねぇけど。おまえ最近、やたら菓子ばかり持ってくるな」
「そうですか?」
鹿島が首を傾げる。紙袋から箱を取り出して、ふたを開けた。四角く切られたナッツ入りのブラウニーが、中に詰まっている。
「先輩、どれ食べますか? 私、お皿に取りますよ」
「いい。自分でやる」
「分かりました。じゃあ、これ使ってください」
鹿島から、皿とフォークを受け取る。適当に二切れ皿に載せて、一切れを口に運んだ。少しビターで、結構うまい。
「おいしいですか?」
「ああ」
「それはよかったです」
鹿島が嬉しそうに、自分のブラウニーを取り分ける。それを見ながら食べているうちに、だんだん目の前が曇ってきた。なんだか、頭がうまく回らない。
「先輩? ぼーっとしてますけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫だ」
「そうですか? もしかしたら、ブランデーが入ってるのかもしれませんし、気分わるくなるようでしたら、食べるのやめたほうが」
「大丈夫だって」
滲んだ視界に、鹿島が映る。いつ見てもこいつはイケメンで、綺麗で、
「おまえ、かわいいよな」
「えっ!?」
鹿島が喜んだように見えた。
「本当ですか? じゃあ先輩、私のこと好きですか?」
「ああ、すきだぞー」
「ありがとうございます! 私も好きです! 付き合いましょう!!」
「おー、いいぞー」
鹿島が立ち上がって俺に近寄り、抱きついてくる。それを受け止めると、髪に頬ずりされた。
「やっぱり、夢じゃなかったんだ」
「ゆめって、なんの話だ?」
「こっちの話です。気にしないでください」
鹿島が俺の顔を覗き込んでくる。やっぱりよく見えないけど、すごく喜んでいるような気がする。
「先輩」
頬を撫でられ、顔を寄せられる。
「先輩が酔っ払ってない時に言う度胸がなくて、ごめんなさい」
「よくわかんねぇけど気にすんなー」
鹿島が小さく笑い声を立てた。
「ねぇ先輩。せっかく二人きりなんですし、このまま私の全部、もらってくれますか?」
「セックスするってことか? おまえがいいならいいぞー」
「ありがとうございます」
更に顔が近づいてくる。
「先輩。今度こそ忘れないでくださいね」
唇が重ねられる。鹿島を抱きしめる力を強めて、ゆっくりと目を閉じた。
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update 2017/10/10