拍手お礼2
2015/8/3~2015/12/14までの拍手お礼です。付き合い始めて間もない堀鹿です。
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今日、鹿島が俺の家に泊まりに来る。ついこの間、部活の先輩と後輩から恋人同士になったばかりで、泊まりなんて初めてだ。ついでに言うと鹿島とキスはしたことがあるけど、身体を重ねたことはない。でも、この機会にそういう関係になる可能性は高い。いやむしろ、ならなきゃ嘘だろ。もしかしたら鹿島も、それを少しくらいは意識しているのかもしれない。
そんなことを考えながら時間が過ぎ、夜も更けてきた。後はベッドに入るだけだ。でも、
「なぁ、ベッドと床と分かれて寝るか? 二人だと狭いし、おまえがベッドで」
「えーっ、何でですか? 一緒に寝ましょうよ」
鹿島の返事に心臓が跳ねる。やっぱりこいつもその気なのか。
先に鹿島をベッドに入らせて、俺も隣に横たわる。
「じゃあ先輩、お休みなさい」
「……は?」
横を見ると、かすかな寝息が聞こえ始めた。ちょっと待て、なに普通に寝てんだこいつ。
「おい、鹿島」
小声で呼びかけても、鹿島は目を開けない。完全に夢の中にいるようだ。
天井を見上げて息を吐く。まさか、こんな展開になるなんて思わなかった。シングルベッドに二人で寝転んでいるせいで肩が当たってるのに、何でこいつ気にしないでいられるんだ。まぁでも、こうなったら仕方がねぇ。俺も寝るしかねぇな。
そう考えて目をつぶるものの、やっぱり隣の鹿島が気になる。目を向けると、寝ている鹿島の横顔が視界に入った。寝顔もイケメンだな、こいつ。それでいてあどけなくて、何だかかわいい。こいつの顔はずっと見てても飽きねぇ。
けど、俺だって年頃の男だ。この状況で、ただ見てるだけで満足できるわけがない。とはいえ、こいつにその気がないのに無理にするのもよくねぇよな。どうしたもんだろうか。
鹿島が寝返りを打った。こっちを向いたそいつの顔は緩んでいる。いい夢を見てるんだろうが、人に我慢させといてのん気なもんだ。いや、俺が勝手に我慢してるだけといえばそれまでなんだけどな。
何だか、こいつを見ていたら本当に堪えきれなくなりそうだ。身体を動かして鹿島に背中を向け、息を吐く。ちゃんと寝付けるのか、俺。うっかり襲っちまったりしねぇだろうか。
そんなことを考えていると、後ろから腕が回ってきた。背中に微かな重さとぬくもりを感じる。
「んー……せんぱーい」
ちょ、ちょっと待て。もしかしなくても今、鹿島に抱きつかれてるのか? 何だよこれ、どういう状況だ。
服越しでも鹿島の肌の柔らかさが伝わってきて、鼓動が速くなる。たぶん胸も当たってるよな、これ。こいつの胸は正直ないに等しいくらいだけど、背中にそれが当たってるっていう事実だけでもどうにかなりそうだ。俺が暴走する前に朝になってくれ、本当に頼む。
「せんぱーい、おはようございまーす」
あくびをしながら、鹿島が間延びした声を上げる。けっきょく朝まで抱きつかれたままで、襲いかかりたい衝動を抑えるのに苦労した。
「あれっ先輩、目の下にクマできてますよ。どうしたんですか?」
「誰のせいだと思ってんだ」
鹿島が不思議そうに首を傾げる。そんな鹿島に、どれだけ俺が大変だったかぶちまけてしまいたい。けどもし俺が我慢できなかった場合でも、こいつはこんなふうに無邪気な顔を見せてくれるんだろうか。そんなことを考えると、文句を言う気も失せてくる。
「先輩? どうしたんですかぼーっとして」
「別に。朝めし食うぞ」
「あっ、はい」
俺が堪え切ったのは正解だったんだ。そう思わねぇとやってられなくて、密かに小さな溜息を吐いた。
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update 2015/12/14