彼の秘密
没SSの中にあったものです。pixivでは「没ネタ供養」という題で2014/3/31に上げたものに入れてました。
サシャにミカサ絡みで秘密を握られて、サシャに服従し様付けするエレンというのを夢で見て書いたものでした。エレン→ミカサ要素ありです。
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部屋に戻ったら、よく見知っている同期の男の子が、ベッドで寝ている私と同室の女の子にキスをしていました。
一体、どこからつっこめばいいのでしょうか。なぜ彼が女子寮にいるのかも気になりますし、そもそもこの二人はよく一緒にいますが、そういう仲だったのでしょうか。しかしそうだとしたら、何で寝ている時にキスしているのかも謎です。
どうすればいいか分からずじっとしていると、顔を上げた彼と目が合いました。彼が驚いた様子で真っ青になります。
「サシャ、今の、見たのか?」
「はい。ばっちりと。エレンとミカサっていつの間にそんな」
エレンが私の腕を引き、走り出しました。周りを確認しつつ女子寮の廊下を通り、外に出ます。
「なん、なんですか」
「言うなよ。誰にも、さっきのこと」
「どうしてですか? 確かに、エレンとミカサがそういう仲なのは驚きましたが」
「……いや、そういうのじゃない」
エレンが私から目を逸らしました。ということは、付き合ってるわけでもないミカサの唇をこっそり奪ってたということでしょうか。
「ミカサはオレのことを家族だと思ってるし、オレもミカサに告白する気はないからな。やっぱり一番、ミカサには知られたくない。そもそも、勝手に女子寮に侵入してる時点でやばいしな」
「何でいるのかと思ったら、侵入してたんですか!? もしかして、今までにも同じようなことをしてたんですか?」
「ああ、まあ。何回か」
驚きました。エレンは女の子に興味なさそうだと思ってたのに、まさか女子寮に忍び込んでしまうくらいミカサのことが好きだったなんて。
「頼む、サシャ。黙っててくれないか。営倉行きで済めばまだいいけど、もし開拓地に送られでもしたら、巨人を駆逐するどころじゃなくなる」
顔の前で両手を合わせるエレンはすごく必死な顔をしています。彼が同期の中でも特に巨人と戦いたがってるのは知っていますし、別に黙っているのはいいです。しかし、こんな格好のネタを見逃すのももったいないですね。
「構いませんが、まさかただで言うことを聞いてもらおうと思ってませんよね?」
「分かってる。パンでもスープでも何でもやるから、今回のことは秘密にしててくれ」
とうとう頭を下げ始めました。力強い言葉で皆に発破をかけることも多いエレンが、こんな姿を見せる日が来るなんて思いませんでした。
「パンやスープもいいですが、食べ物さえ渡しておけばいいと思えば大間違いですよ」
「じゃ、じゃあどうすればいいんだ?」
エレンが眉を下げて情けない顔になっています。今日は珍しいものがたくさん見れる日ですね。
「私の家来になってください! 私のことは『サシャ様』と呼んでください」
「な、何だよそれ! ふざけてるのか?」
「いいんですか、私にそんな口を利いて。私はエレンの秘密を握ってるんですよ?」
エレンが言葉に詰まり、悔しそうな顔になります。何だか楽しくなってきました。
嫌そうな顔をしていたエレンでしたが、私に向かってお辞儀をしました。
「分かりました。サシャ、様」
「これでいいんだろ?」とでも言うような顔をするエレンに、私は微笑みました。
「はい。これからよろしくお願いしますね、エレン」
さて、これからどんなことをお願いしましょうか。楽しみです。
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update 2016/5/28