エレンの告白作戦! | Of Course!!

エレンの告白作戦!

こんなタイトルですが、作戦的なことはしてません。

エレンがキャラ崩壊してますのでご注意ください。

 

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「なあ、アルミン。どんな告白だったら、ミカサに伝わるんだろうな」

 横で深く息を吐くエレンに、アルミンも溜息を吐きたくなった。

「だからさ、いっそ『オレの子どもを産んでくれ』くらい言えばいいんだよ」

「そこまでストレートなプロポーズは恥ずかしいだろ」

(めんどくさっ)

 そんなアルミンの内心など露知らず、エレンが考え込む。

「訓練兵団の解散式の後だって、ミカサが調査兵団に入るって言うから、心配でさ。ミカサはオレの大事な女なんだから、安全な場所で生きててほしいと思って憲兵団入りを勧めたのに断られたし。しかもその後、オレのこと家族って言いやがって。オレはこれからミカサと結婚して本当の家族になろうと思ってるところなのに、そんなこと言われたら落ち込むしかないじゃないか」

「それ前も聞いたよ」

「しかも、オレが最初に巨人化した後、ミカサがオレを抱きしめて泣いてたんだろ? 何でミカサにハグされてるって絶好の場面で起きてないんだよオレ」

「知らないよ。寝てた君が悪い」

「かわいかったんだろうな。オレが生きてて嬉し泣きするミカサ」

 何で僕はこの人と幼なじみなんだろう、などと考えているアルミンはお構いなしに、エレンは当時の様子を必死に想像している。

「起きてたら絶対、抱きしめ返して頭を撫でてやったのに」

「ミカサがオーバーヒートしそうだからやめておきなよ」

 そもそも、ミカサもなぜエレンがそんなに好きなんだろう。もしかして、エレンがこんなことを考えているとは知らないのだろうか。ミカサの目には、フィルターがかかって何倍もかっこよくなったエレンが見えているのかもしれない。

「それにさ、こないだ話したと思うけど」

「エレン奪還作戦の時のことだろ」

「ああ。あの時さ、咄嗟にオレ、これから何度でもオレがマフラーを巻いてやるって感じのことをミカサに言ったんだけど」

「うん聞いた」

「これってプロポーズじゃねえか?」

 確かに、そう取られてもおかしくないセリフだろう。普通ならば。

「でもミカサの奴、全然そういう意識がないんだよな」

「それは、言った本人ですら、言った時には自覚してなかったんだし仕方がないんじゃないかな」

「まあ、それもそうかもしれないが」

(いつまで続くんだ、この話題)

 うんざりしているアルミンはお構いなしに、エレンはまたもや何かを考えている。

「最初に告白した時には、真っ直ぐに『好きだ』って言ったけど、ちゃんと伝わってなかったし」

「ああ確か、家族愛的な意味だと思われてたよね」

「そうなんだよな。次に『愛してる』って言った時も同じだった。で、『オレのパンツを洗ってくれ』って言っても『シガンシナではよく洗ってた』だし」

「僕としては、鈍いミカサ相手に、それで通じる気でいた方がびっくりだよ」

 そもそも、「オレのパンツを洗ってくれ」がよくて「オレの子どもを産んでくれ」が駄目な理由がアルミンには分からなかった。分かりたくもなかったのだが。

「もうさ、『結婚してくれ』とか言えばいいだろ」

「だから、そこまでストレートなプロポーズは恥ずかしいんだって」

(もう勝手にしてくれ)

「エレン、アルミン。こんなところにいたの?」

 アルミンが泣きたくなり出したと同時に、声が聞こえる。

「ミカサ。どうしたの? 僕達を探してたとか?」

「そういうわけではない。が、姿が見えないので、どこに行ったのか気になって」

(それを探してたって言うんじゃないのかな)

 苦笑するアルミンはお構いなしに、エレンがミカサを上から下まで眺める。

「エレン、どうしたの? 私の服に何か付いてる?」

「いや、今日もかわいいと思ってな」

 ミカサが何回も瞬きをする。

「えっ? 今、エレン、その」

 耳まで真っ赤になったミカサが、自分の顔をマフラーで隠した。

「そっそれは、どういうこと?」

「どうって、そのままの意味だよ」

「だだだって、意味が分からない。私はその、いつも腹筋をしているし、かわいいとは程遠い。ましてやエレンが、そんなことを言うなんて」

(……あれ?)

 アルミンはミカサの発言に首を傾げる。エレンは普段、アルミンの前で散々、ミカサのことをかわいいと褒めちぎっている。にも関わらず、ミカサ自身はかわいいと言われ慣れていない様子だ。さすがにミカサも、ハグなどは慣れていないだろうし照れるだろうが、かわいいくらいは言われていると思っていたのだが。

 しかしエレンはそんなことなど全く気にしていないのか、ミカサを食い入るように見ている。

「エレン、なぜそんなに私を見ているの」

「いや、照れてる顔もかわいいと思って」

「えっ!? そそそんな、私は別に」

「かわいいなー」

「もうやめなよエレン! ミカサの脳が限界だから!」

 アルミンの叫びを無視して、エレンはミカサの手を握った。

「ミカサ。本当のことを言うと、オレは初めて会った時からずっと、お前は世界一かわいいと思ってた。でもあまり普段からそういうことを言うと、軟派な感じに見えるだろ? だからお前の前でかっこつけたくて、あまり言ってなかったんだ。でもそれじゃ駄目だって気づいた。だからこれからは、いくらでも言う。ミカサ、お前は本当にかわいい。好きだ、愛してる。今すぐにでもお前を抱きしめてあれこれして」

(って、ちょっと待て。今、エレンは何て言った? ミカサの前でかっこつけてた? だから、ずっとミカサをかわいいと思ってたけど、言ったことがなかった?)

 アルミンが拳を握りしめる。今まであんなに告白が通じないと嘆いていたが、それはエレン自身が原因だったのではないか。そう思うと、怒りが込み上げてきた。

「エレン、君って奴は」

「……ん? どうしたんだ、アルミン」

 ミカサの手を握ったまま、不思議そうに振り返ったエレンをアルミンは睨みつけた。

「そんな状態で告白して通じるか、この大馬鹿野郎!」

 アルミンの拳が鳩尾に直撃したエレンは、その場に転がる。話を聞いてやって損したと思いながら去るアルミンと、床に転がったエレンを交互に見て、ミカサが青い顔で慌てる。しゃがみこんでエレンの顔を覗きこむミカサの手をエレンが再び握り、口説き始めたことをアルミンは知らない。

 

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update 2014/3/18