短文置き場

数百字くらいのSSを適当に投げるところです。腐向けも普通に出てくるのでご注意を。

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スロット結果SS

魔法使いと黒猫のウィズ アポヴァカアポ

男性精霊闇鍋スロットの結果を元に書いたものです。

スロット結果
《アポロニオが 学生服を着て 添い寝してくれる》

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「ヴァッカリオ。久しぶりに私と一緒に寝ないか?」
 笑顔のアポロニオに、ヴァッカリオが目を丸くする。
「お兄ちゃん。なんで学生時代の制服きてるの?」
「昔を思い出すだろう」
 ヴァッカリオが苦笑した。
「そうだね。お兄ちゃん、あの頃とぜんぜん変わらない」
 アポロニオが満足げにうなずく。
「せっかくだからあの頃のように、私が寝かしつけてやろう」
「おいらもう三十すぎだよ。そういう歳じゃないって」
「言っただろう。私にとっては今のお前も、あの頃と変わりない。そうでなくても、弟が目の下にくまを作っていれば、気にもなる」
 ヴァッカリオの肩が跳ねた。
「今だけは子どもの頃の気持ちに戻って、私の腕の中で寝るといい」
 ベッドに歩み寄ったアポロニオが、布団をめくり上げて招いてくる。ヴァッカリオが近づくと、ベッドへ入るよう促された。掛け布団の下に潜り込み、隣に入ってきたアポロニオへ目を向ける。
「お兄ちゃん、本気なの?」
「当たり前だろう。ヴァッカリオ」
 掛け布団の上から、アポロニオが軽く叩いてきた。
「いい子だ。さあ、早くおねんねしよう」
「おねんねって」
 呆れながら、兄の顔を見る。目の前のそれから視線を逸らし、まぶたを下ろした。
 昔の気持ちになんて、戻れるわけがない。いま隣にいるのは、兄でありながら、一人の男性として愛している相手なのだから。


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2020/5/17 ほんのり修正

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